自分の体に当たり前のように生えている毛。
そんな体毛も、肌と同じように一定のサイクルで生え変わっていることは、周知のことでしょう。
ですが、そのサイクルがどういったサイクルなのか、詳しい内容までは知らない人も多いものです。
毛が一定のリズムで生え変わるサイクルを、「毛周期」といいます。
毛の1本1本にサイクルがあり、また、生えている部位によってそのサイクルも微妙に違ってくるのです。
この毛周期を把握しているのといないのでは、脱毛をする際に、その効果に与える影響は大きなものとなります。
そんな毛周期や、毛の構造などについて、詳しく調べてみましょう。
毛周期とは❓ムダ毛が生えてくる構造について
毛の毛周期について知る前に、簡単に毛の構造についても知っておくと、理解が早くなります。
毛は、そのほとんどが皮膚の中にある状態です。
そんな中でも皮膚表面から姿を見せている部分を「毛幹」と言います。
そして、皮膚の中に埋まっている部分が、よく耳にする「毛根」です。
毛根の中でも膨らんだ部分の下部に存在するのが「毛乳頭」と呼ばれる部分で、毛乳頭は毛細血管から運ばれた栄養を受け取り、毛を作る元となる「毛母細胞」に渡す役割を担っています。
毛母細胞は、毛乳頭から受け取った栄養を元に細胞分裂を活性化させ、発毛を始めます。
◆毛周期のサイクル◆
毛周期のサイクルは大きくわけて4つの時期に分類されます。
1つずつその周期を見ていきましょう。
①成長初期(前期)
成長期発毛因子が毛乳頭に着床することで、髪の毛の生成が始まります。
②成長期(後期)
毛母細胞が分裂を始めると、皮膚の下で新しい毛が生えはじめ、どんどん髪の毛が作られていきます。
毛細血管から栄養を取りこみながら成長し、皮膚表面へ伸びていく時期です。
③退行期
毛母細胞の活性化が終わり、分裂しなくなります。
毛乳頭と毛を繋いでいた力が弱まり、毛は毛根から押し上げられるようになります。
④休止期
毛と毛乳頭が完全に切り離されることで、毛が自然と抜け落ちる時期です。
一度毛が抜けた場所から再び発毛するまでの期間でもあります。
◆部位別に見る毛周期◆
毛周期は、その毛が生えている部位によって違いがあります。
よく脱毛をする部位別に、その毛周期と、1日に伸びる毛の長さを見てみましょう。
①わきの毛周期
- 成長期 4~5ヵ月
- 退行期・休止期 4~5ヵ月
- 1日に伸びる毛の長さ・・・約0.3㎜
わきは、腕を上げたり伸ばしたりすることで、皮膚の伸縮が激しく、摩擦も多く生じる部位です。
そのような刺激が多いことから、毛周期も少し短めとなります。
②腕・足の毛周期
- 成長期 3~5ヵ月
- 退行期・休止期 3~5ヵ月
- 1日に伸びる毛の長さ・・・約0.2~0.4㎜
腕や足は、日頃から露出が多く、紫外線によるダメージを頻繁に受けている部位です。
衣類を着脱する際には、必ず摩擦が生じたり刺激を感じることから、毛周期は他の部位に比べると短くなっています。
③Vラインの毛周期
- 成長期 1~2年
- 退行期・休止期 1~1年半
- 1日に伸びる毛の長さ・・・約0.2㎜
◆毛周期と脱毛のタイミング◆
毛には、毛周期と呼ばれる生え替わりのサイクルがあることがわかりました。
毛を処理したいと考えた時、どんなタイミングで処理してもいいわけではありません。
この毛周期のサイクルと自分の毛の状態を照らし合わせながら、脱毛のタイミングをきめなくてはいけないのです。
近年、エステやサロン、クリニックなどで施術されるレーザーの光を使った脱毛は、特に毛周期が重要です。
正しい時期に、正しい方法で、レーザーを照射して脱毛を施さなくては、あまり効果がないのです。
脱毛したはずなのに、またすぐ毛が生えてきてしまうということにもなるのです。
それでは、脱毛に適したタイミングとはどのタイミングでしょうか。
①脱毛最適期
毛周期のサイクルの中で、脱毛するのに最適な時期は「成長期」です。
脱毛に使うレーザーは、毛のメラニン色素と呼ばれる黒い組織に反応するものです。
成長期は、毛母細胞が活発であることからも、メラニン色素が濃い状態で、レーザーも反応しやすい時期なのです。
②脱毛不適合期
逆に、それ以外の周期はいくらレーザーを照射してもあまり脱毛の効果が得られません。
特に休止期や退行期は、メラニン色素が薄く、レーザーが反応しないためです。
この時期にレーザーを照射するのは、肌のダメージを強くするだけなのです。
◆毛周期と脱毛にかかる期間◆
①脱毛にかかる期間
脱毛するのにベストな毛周期は、「成長期」であることがわかりました。
効率よく脱毛するならば、脱毛したい部位の毛の毛周期が、成長期に入るのを待つことになります。
そのため、エステやサロン、クリニックで脱毛すると通院に時間がかかるのです。
部位ごとに成長期が変わることからも、1番毛周期が短い部位の脱毛でも3ヵ月ほど間をあけての施術なります。
②脱毛できる毛
同じ部位に生えている毛でも、1本1本毛周期は異なります。
毛周期に入った毛もあれば、まだ休止期の毛もあったりと、ばらつきがあるのです。
しかも、成長期に入っている毛は、その部位全体でいうと約20%程度と言われます。
残りの毛は、ほとんどが、休止期かまだ皮膚の中で待機している状態なのです。
そのため、脱毛したばかりなのに、またすぐに新しい毛が生えてくるといった現象が起きます。
1回の施術で完全に脱毛を完了するのはとても難しいのです。
そんなことからも、自己処理だけで、全身をくまなく完璧に脱毛することは、とても困難であると言わざるを得ません。
◆まとめ◆
毛のサイクルである、毛周期を熟知していると、より効率よく脱毛できることがわかりました。
部位によっても、生えている毛によっても、そのサイクルが違うことから、脱毛を完璧に施すことの難しさもわかったことでしょう。
間違ったサイクルの時期に、脱毛をむやみに行うことは、脱毛の効果がないだけではありません。
肌もむやみに傷つけてしまうことになり、そのダメージも大きいのです。
そして、毛周期のサイクルは、素人目で判断するのは難しいものでしょう。
その点、エステやサロン、クリニックは脱毛のプロであり、毛のことも熟知している人たちがそろっています。
肌トラブルなどのことを考えても、脱毛はそのプロであるエステやサロン、クリニックで施術する方法が1番確実で安心できるものなのです。